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美意識







美意識の無い人に、

何を見せたところで無駄である。




何をもって美しいと感じるかは、人それぞれだ。




・・・


ある先生と

ある弟子入り志願者がいる。




「先生、弟子にしてください!」


「ん?オマエは、何故、私の門を叩くのかね?」


「先生が創り出すような美しいモノを自分でも作りたいからです」




「美しいものをかい?」


「ハイ!」




「では、聞くが、オマエは日常生活の中で、美についてどんな意識を持っているかね?」


「・・・・・」


「答えられないのかい?」





「美を創造するとは、ある意味では美を選択しているとも言える。

私とて、美しい色や材料自体を生み出すことは出来ない。

それは、天然であり、自然界に存在しているものであって、

私は、それらを選び、そのカタチを利用し、配列と構図を考えるにすぎない。」




「実は君も、日常の中で毎日様々な選択を迫られていて、

その都度、自分のセンスでソレを選んでいるのですよ」




「例えば、君が今している、時計も。その靴も。その髪型も。

そのシャツもズボンも・・全て」


「すみません・・お金がないもので、おしゃれには正直あまり

気を使ってませんでした・・・」




「そうか・・・では、うちに来ても無駄だな」


「え!・・・オシャレじゃないとダメですか?・・」


「そういうことではない」


「では、どういうことですか?」




「美とは、内なる感性で掴まえるものなのですよ」


「美しいものに触れ、その法則を学んだところで、

ソレらしきものは、作ることができても、

本当に美しいものなど出来るはずもない。」




「あなた自身がソレを感じ取って始めて、そこに美は存在するのです」




「????」


「申し訳ございません・・先生の言葉の意味が完全に理解できません」


「お金と美とは、無関係ではないが、イコールでは絶対にない」


「本物を求めれば、それはそれで高くもつくだろう。

いいものは、値が張るからね。

しかし、安価でも美しいものは存在します。

安価なものと、安物は、似て非なるものです。


中途パンパな安物の革靴を選択するより、金がないなら、

シンプルでキレイ形のスニーカーのほうがいいし、

そのインチキな時計をするなら、むしろ無いほうがいい。

その何柄で、何色だか分からないシャツを選ぶぐらいなら、

無地か、或いは白いシャツのほうが、美しい。


要するに、お金やオシャレのことじゃなく、

君が選択した【美】そのものの話しを私は今しているのです」







「君は、自らの美意識でソレらを選択した。

隣りにある白いシャツではなく、その柄モノを選んだ。

それが悪いことではないが、私にはその選択はない。

根本にある美意識の決定的な違いは、

もはや埋めることは出来ない。


だから、ウチの門を叩いても無駄だと言っているのですよ」




「日常に対して、美意識を持てない人が、

仕事だからといって、人を感動させるような美しいものなど創れるはずはないです」







・・


弟子入り志願者は、がっくりと肩を落とし、

その山を降りた・・・




そして、こう呟いた・・


「帰りにコンビニでレオンでも買って帰ろう!」




・・





そういうことじゃーねーんだよ・・・
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