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気楽な作業









パソコンの中に、書きかけの文書が随分と溜まってきた・・・




これは、いつものことだ。


頭の中にも、言葉として出してしまいたい

新しい文書も随分と溜まっている。


これも、いつものことだ。




この感じだと、今月か来月、


或いは、来年の頭あたりには、


一気に出力され、アップに至るだろう・・・


とは、思うが・・

かなりコンディションが良くないと

納得のいく文書にまで至らない。




言葉の繋がりの連続が文書なのだが、

ちょっとした言葉の表現が感じているニュアンスと異なるだけで、

自分的には、もうその文書は没。




もっと言うと、言葉以前に、

一文字しっくりこないだけで、

全てがダメに思えてしまう。


それは、音楽や絵画、きっと映画作りなんかでも同じだろう・・・




僕は、料理以外にプロとして仕事をしたことがないので、

その他のジャンルの制作過程において、

何処までディテールにこだわっているかは知らないが、

どの分野も突き詰めるところは同じだと思う。


・・


料理の現場は、非常にそれが難しい・・・


僕にしてみると、妥協の連続だ。


NGが出たのでカットも出来ない。

音が気に入らないので、一小節だけ録り直して編集で繋ぐこともできない。


出来あがった文書を読んで、気に入らないので、

いい言葉が出るまで寝かすことも出来ない。


打ち間違えた文字を一文字消すことも出来ない・・・




営業中、一皿を作るのに、

本当に納得のいくまで時間をかけることも出来ない。




日々、客は訪れるし、

日々、来る食材も違う。


日々、自分の感情も異なり、体調も異なる。

スタッフは、もっとブレがあるし、ミスをおかす。


・・


長い歳月をかけて、

ひとつの料理を考案し、

綿密なシュミレーションをして、

何度も試作を繰り返し、

やっと形になって、

次に、本番でのオペレーションを想定して、

各スタッフに現場での動きを完璧に落とし込む。


それが、出来あがって

いざ本番を迎える・・・


しかし、実際は、

自分が完全なイメージの中にあった【ソレ】とは、

はやり相当に異なる。

【相当】かどうかは、感じ方次第だが、

自分には、相当な違いだ・・・




それが、いいとか悪いとか、

そんな話ではない。


それが、料理の現場の姿であるだけのことだ。


・・

自分にとって、文書を書くことは、

料理と違って、特にストレスはない。


気分が乗らなければ、書かなければいいだけのことだし、

もし、ダメな文書ならゴミ箱に捨てればいいだけだ。


ごみ箱行きにしなくても、

途中でダメと思えば、1年でも2年でも、パソコンの中に放置しておけばいい・・


そう・・・とても気楽な作業である。


なのに、自分はどうしてこんなにも、

言葉や文書というものに執着するのだろう・・・


たった一文字が気に入らないだけで、

全てが嫌になる・・・





ここまで書いていて、

既にこの文書が気に入らない。




没にしようか?

とも思うが、

それをやり続けると、

永遠にアップができない。




ある意味、料理のように、

待ったなしの世界のほうが、

気楽なのかもしれない。


勿論、責任とプレッシャーは相当あるが、

目の前にお客がいて、

【作りましたが、気に入らないので捨てました・・】とは言えない。


出すしかないのです。


しかも、もれなく

その出したものは、胃袋に収まるか、

洗い場に下げられるかのいずれかであり、

現物は、作品として残ることがない。


リピートして読み返したり、

何度も聴き直したりもされない。


料理は、消える作品だ。




待ったなしで、消える作品である。


ある意味、それは気楽と言える。




果たして、


それを気楽と言えるかどうか?


その辺の感覚は、料理との向き合い方にもよるだろうな・・・。


適当にやっているから言える場合もあるし、

真剣だからこそ言える場合もある。


でも、おそらく

答えは、後者だ。




始めから、適当にやっている人は、

それを気楽とも思わない。


間違えなく、思わない。




消えるものを作る気楽さ・・




それは恐怖と紙一重の中にあると思う。











 
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