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清潔感


清潔感という言葉がある。


よく耳にする言葉だが、

あまり意識して使ったことも聞いたこともない。




それは、文字通り、

それ以上でもそれ以下でもない。

そのままの意味しか持ちあわせていない言葉なので、

特に意識的に特別な意味を含ませて使用しないからだ・・


・・


ここ数カ月の間に、

この清潔感という言葉に対して、

2回、立ち止った。




ひとつは、

9歳の娘が、【お父さんの好きなところは?】と聞かれた際に、

【清潔感があるところ】・・・と答えたらしい。




相当に微妙な部分を褒められて、

複雑な気持ちになった。


父親に対して、ピンポイントでソコっ?・・と思う・・・。


まったく意識していない部分だったので、

余計にそう思った。


もうひとつは、画家の先生が食事に来た時。


石井さんの表現には、清潔感があるね。・・と。


清潔感??


料理の表現、ビジュアルの世界、構図や配色、ディテール部分・・

そういう画面に対しての評価で、清潔感・・というフレーズ?


なんだか、ハッとした。


自分では、全く意識の無かったことであったが、

実は、その瞬間、とてもその意味が分かってしまった。


ずっと前から、なんとなく感じていたこと。

そう、別に汚れているとか、そういうことじゃなく、

なんとなく、表現が汚いと感じる人がいることを・・・




実際、奥底で感じはいるけど、

言葉では言わなかったこと。


・・・


【美しい表現】というのは、そのままだけど、

【清潔感のある表現】というのは、似ているが少しニュアンスが違う。


勿論、内包しているのだが、

やっぱり、ニュアンスが違う。


この誰もが分からないかもしれない感覚的な言葉選択が、

画家の先生に言われたときに、ピンときて、

何かとても嬉しい気分になった。


そこに気づけたことと、

それが自分の表現であったことと、

どちらも嬉しかったのだろう。


・・・


人にとっての清潔感とは、

何もキレイ好きだとか、潔癖症だとか、

そういうことじゃない。


キレイに、ものを見つめる感性なんだと思う。


表現とは、表に現れると書いて【表現】という言葉になる・・

故に、何かが【表】に現れて、はじめて表現となる。


その【何か】とは、何か?

それは、自分自身の中に内在するものだ。


内に何を抱えているのか?


それは、精神の純粋性以外にない。


それが、全てだと僕は思う。
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