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多様性
多様性
勿論、昔から存在している言葉ではあるが、
自分が意識して使い始めたのは、ここ最近のことだ。
物事というのは、単純なものから複雑なものへと変化するようになっている。
それは、進化の過程でどうしても起こることだ。
人は、考える生き物なので、より進化させよう!と思うと、
どうしても多様な機能を増やす傾向にある。
まぁ、それも進化の過程にすぎないが、
それは、別で話すとしよう・・
・・
今の料理界でも【多様化】が進んでいるように思う。
昔と違って、料理も複雑になり、料理人、シェフ、お店に求められる内容も
多様に存在する。
だから、オーナーシェフとしてお店を構えようと思うなら、
料理だけではなく、様々な見聞を広げ、
多様な表現ツールを持ち合わせてないと、
時代の波に押し流されてしまう。
・・
人々の暮らす世界が成熟し、価値観の多様性が必要とされている現状は、
実に素晴らしいことに思えるが、
それはあくまで人が人生を生きる為に必要な価値観であって、
全てにおいて【多様化】が進み過ぎれば、
ある一方では、逆に単純化を求めだす人も増えるだろう。
・・
自分が今年45歳を迎える年となり、
あぁ・・もう25年もの間、料理を続けてきたんだなぁ・・と
愕然とした気持ちになった。
何を思って愕然としたかというと、
25年も同じことをし続けたのにも関わらず、
何一つ極めていないということにだ・・。

野菜ひとつとっても、肉も魚も、デザートは勿論、パンやシャルキュトリー・・
この料理の世界には、様々な【分野】があり、
その分野には、それぞれの【専門家】がいる。

料理の専門家であり、プロフェッショナルであるにも関わらず、
自分は、どの分野においても、
極めてもないし、専門家でもない。

もし、25年という時間を費やし、
何かひとつの分野に特化して、
修練を続けたなら、
今頃、卓越したプロフェッショナルになっていることだろう・・。

そう考えると、専門家というのは、
読んで字のごとく【専門】なだけあり、扱える範囲はとても狭く、
その代わり、とてつもなく深い。

広く、深く、網羅するには、
料理の世界はあまりに範囲が広く、
25年じゃ全く足りない。

まぁ・・自分の場合はそういうことだ。

・・
シェフの能力の多様化が全盛を極めている今の時代は、
もしかしたら、今がピークで、
これからの新しい時代は、【専門家】の時代なのかもしれない。
【プロフェッショナルの条件】という本に、
“まずは、専門家であれ”という言葉が綴られている。
何かで成果を上げる為に、絶対に必要なのが【専念すること】
これは【集中】という言葉でもいいかもしれない。
それぐらい、ひとつの物事を作り上げるには、
能力の集中が必要だということだ。
・・
今、様々な能力が求められている時代において、
その先を見越したとき、
本当に頭ひとつ抜ける能力は、
実は、【多様性】よりも【専門性】なのかもしれない。

25年・・・相当に色々なことに興味の赴くまま、
あれこれ手を出してきた自分が痛感しているのが、
まさにコレであり、
残りの料理人人生をあることに費やす
というのもひとつの考えかもしれない。

それが、自分にとって【プロフェッショナルの条件】に成り得る。
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