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描写力
絵画において描写力を競い合う時代はある時期に終わった・・。
技術は研究され尽くし、
カメラという発明も後押しした。

本物そっくりに描くより、
本物を超えるリアリティーを描くことに価値を見出した。

それが抽象の世界だと思う。
絵画の歴史も【創造と破壊】によって、
新しい扉が開かれた。

それは、ガストロノミーも同じだ。

フランス料理に本当は、クラシックもモードもない。

古典と前衛があるとするなら、
それは、あくまで【過去と現在】だ。

僕は、過去を懐かしむことがあったとしても、
過去を表現したいとは思わない。

古びた感性を掘り起こし、
あたかもそれが正しいかのような振る舞いは、
感性のない人が、ノスタルジーな世界に
ひとり酔いしれているだけだ。

料理にも色々な種類があって、
気心の知れた仲間とワイワイやりながら
気軽に当たり前に美味しいものを安く食べられる店もあれば、
アートを鑑賞するように・・
或いは、映画やコンサートに出かけるように、
ある作者の感性に触れるために訪れる店もある。

今のガストロノミーとは、後者であって、
万人が必ずしも喜ぶとも限らないし、
高い食事だからといって、その人が【美味しい】と
感じるという保証もない。

作者は、過去から学び、時に過去を否定しながら
【今】という時代を皿に反映させ、
【今の自分】を皿に表現する。
そのあくなき探求心こそが、
いつの時代も料理を発展させ、進化させてきた。

もし、そこを否定するなら、
今、クラシックと呼ばれる料理も存在しない。
当時は、クラシックではなく、
【ヌーヴェル】だったのだから・・・。

【革新的】なものを否定するような人は、
歴史を否定するのと同じだ。
いつの時代も【保守】は存在するが、
保守が歴史を変えることはない。

過去にしがみつきたい人に
歴史を変える勇気も才能もない。

【創造と革新】こそが、
僕の信じる道であって、
そして、我々人類が歩んできた歴史そのものだと思う。
・・・
人間の進化は止めることができない。

長い長い歴史の中でそれを繰り返し、
進化できなかった種は、滅びてきた。

進化は正に【種の保存】の原理であって、
次世代に種を残そうという本能が進化を促してきた。

我々の業界も進化の歴史の中にある。

クラシック・・なんていう料理は存在しない。
その料理も昔は新しいわけだし、その時代に生きた人が
ノスタルジーで作っているか、新しい発想がないか、
或いは、感性が古臭いだけか・・いずれかだ。

古臭い料理、今を表現している料理、時代の先をいく料理・・
あるのは、ソレだけだ。

ただ、本質的に原理原則を捉えた【変わらない料理】もある。
それはクラシックというより、その人が見つけた真実であり、
その人の【オリジナル】だ。

・・

時代は進む。
僕は、ここ4,5年で色々な挑戦に出ると思う。
ル・ミュゼという箱に、この12年で実に2億も投資した。
それは、とても重たいものであったし、実にエキサイティングで
スリリングだった(笑
それは、あと数年で終わる。
そして、それは、新し始まりだ。
大幅にお店をリニューアルする予定。
また、更に投資する。
それは、今を表現する上で必然的なことだと思うから。
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