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自分のフィールド
色々なところで、似たようなことを話した記憶もありますが、

思考を重ねて今、改めて思う事。

・・・

僕の人生も、そして、僕の業界での在り方も、

全てにおいて常に考えてきたことは、

【自分のフィールドで戦う】という事。

それに尽きます。

・・・

思えば、18歳の頃、将来何をしようか?

何を目指そうか?と考えた時、

迷わず、自分の数少ない長所を生かせる職業にしようと考えました。

きっと、それは、遡ればずっと前、

そう、小学校の頃から、同じことを考えていたと思うのです。

クラスや学年という、学校の小さなコミュニティーにおいて、

その中でどうやって楽しく毎日を過ごすのか?というテーマは、

当時は、最も大切なことだったりします。

その中で自分の立ち位置を決める際に、

何を拠点にすべきか?を考えます。

それは、自分を客観的に見て、

他の人より何が劣っていて、何が優れているのか?

何を求められているのか?

そういうことを感じる能力なのかもしれません。

さて、話が変わります。

1997年 10月11日。

400戦無敗神話を引き下げ、日本の格闘界に乗り込んできた、

ヒクソン・グレーシーと“最強”高田延彦との一戦が行われたのは、有名な話。

僕も釘付けで観てましたが、

想像を遥かに超え、まさに秒殺!

腕ひしぎ十字固めであっけなく終わりました。

この時、僕は自分の中にあった【あること】と完全に重なったような思いがしたのです。

ヒクソンが今までにいない、

ヒクソンにしかない【強さ】があって、

それが何かというと、

一言で言えば【自分のフィールドでしか戦わない人】ということです。

ヒクソンは、自分のことをよく分かっていて、

どういう状況であれば自分が不利で、

どういう状況であれば自分が勝つことができるか?を熟知しているように思えました。

この時の高田をはじめ、ヒクソンに挑戦した全ての格闘家は、

その術中の中にいた・・・

それが勝敗の全てに思えます。

ヒクソンは【強い者が勝つ】という格闘技の定石を別の視点で見ていたように思います。

僕が感じたのは、加点法ではなく、減点法。

分かりやすく言うと、

勝敗を分けるのは、加点法のようにパワーを付けたり、打撃で圧倒したり、

テクニカルばかりを磨いたり、そういうことではなく、

単純に【ミスをしないこと】

すなわち【減点】がない状態をいかにキープできるか?が鍵なのです。

一流の格闘家で体格も大きな差がない場合は、

スキルでは、大きく差は出ない。

よくある話で、この手のアスリート同士のガチンコは、膠着状態になる。

力が五分である以上、お互いに警戒して技が出せない・・・

しかし、ヒクソンは、違った。

まず、相手を自分のフィールドに上がらせる。

対戦前から、既に戦いは始まっている。

その上で、彼は独自のトレーニングをする。

スパーよりも、山に籠ってヨガのトレーニング、瞑想、呼吸など、

完全に【精神を如何にして鍛えるか?】に終始する。

これが本当かパフォーマンスかは分からないが、

相手は、より異様に感じるのは確かだ。

そうなってくれれば、待ってました!ということだ。

ゴングが鳴る。

ヒクソンは、微動だにしない構えと表情。

相手は、警戒心でいっぱいだ。

石のように、硬い精神で、じっくりと攻寄る。

精神的に追い詰められた相手は、いつものような動きが出来ない。

この試合の為に、あれほど、様々なことを想定して、

トレーニングしていたにも関わらず、

全くといっていいほど、その成果が出せない・・・

どんどん焦りだす。

そこで“ミステイク”

平常心を失った相手は、思わぬミスを犯す。

そこで、一気にタックルをしかけ、

サイドから足を滑り込ませ、マウントポジション。

そこでも焦らず、じっくりとパンチで相手を弱らせていく。

更にスキが生まれた瞬間を狙って、関節技に移行・・・

フィニッシュ。
力は、五分であったかもしれない。

いや、もしかしたら、相手の方が強かったかもしれない。

しかし、勝敗は違ったのです。

強い方が勝つのではなく、

ミスを犯さなかったほうが勝ったのです。

それが、僕の観た1997年10月11日のPRIDE.1 ヒクソン・グレイシー 対 高田延彦 の戦いでした。

例え話が随分と長いですが、

当時、まさにこんなことを考えながら観ていて、

人生も仕事も、これと同じとは言い切れないが、

非常に似ているな・・・と実感したものです。

実感したというか、ずっと思っていたことだな・・と。

結局のところ、人それぞれに、自分の長所というものがあって、

その長所を生かし切れる【自分のフィールド】があるのです。

しかし、皆がそれを分かっているわけじゃない。

わざわざ、アウェイに乗り込んで、ボコボコにされる人も多いのです。

僕は、職業を選ぶ時点で、自分の長所を生かせる仕事を選択し、

その後、料理の世界に入ったら、今度は、この世界にも

色々な業態があることを知り、

自分にホテルのような世界に向いてないとすぐに気づき、

レストランに行くわけです。

そこにも、色々な世界があります。

そして、店を作るにも、色々なスタイルが存在します。

ここ数年、あまり自分には向いてない活動もしてきたのですが、

それも、勉強。

まさに、アウェイ状態で、ボコボコです・・・

今、この先の展開を考えた時、

もう自分のフィールド以外での戦いをやめようと思っています。

自分がすべきこと。

自分にしか出来ないこと。

それに特化すること。

それが最も効率のよい戦い方であり、

負けない戦略だと思うのです。

戦術を磨く人が多いのですが、

戦略の無い戦術は、

指揮官のいない軍隊が、闇雲に武器を振り回すのと同じ。

・・・

僕には僕のルールと戦い方がある。

僕だけのステージを創ること。

自分のフィールドでの戦い方は、

自分が誰よりも熟知している。

すなわち、僕の戦いは、これからだと思うのです。
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