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ル・ミュゼ ランチメニュー
 
3月より、ランチメニューを一新します。

光と自然が織りなす、

ル・ミュゼの最新ランチメニューを

是非、ご賞味ください。














No01.菜の花:そのエッセンスを・・・






No02.人参:人参のデクリネゾン、様々な人参の味わいを・・・





No03.大根:雪の下に眠っていた大根、オブラートに包んだフォワグラバター





No04.ミュゼのサラダ:ヴァージョン2012春



No05.ゴボウ:アイスシェルターで熟成したゴボウと小エビのパスタ、

カプチーノ仕立てで・・・






No06.インカの目覚め:池守さんが越冬させた愛国のインカの目覚め、

その甘味とホタテ貝の味わいを重ねて・・・






No07.キャベツ:雪籠りキャベツ、土と雪・・・

和牛ホホ肉のブレゼを添えて・・・




No08.メークイン:越冬した愛国町のメークインのグラス、

落花生の香りを・・・


No09.雪解け






No10.ミニャルディーズ




2012.02.collection

2月のメニューが更新されました。



2月1日の記事に

メニュー作りが前に進まない・・・と書いた、

1時間後ぐらいには、

このメニューは頭の中で出来上がりました。



結局、まだ早い・・・と断念し、

【言葉をデザインする】というテーマを諦め、

単純に【料理をデザインする】という方向にシフトチェンジ。



料理のメニューは、オフィシャルのwebで見ることができます。




・・・・・・・・・・

美しい料理を作ろう・・とか、

特に意識しないとこの前書いた答えは、

そこにあって、


ソレ自体をとれば、

特に難しいことではないので、

毎回、その部分は後回しだったりします。


・・・・・・・・・・


自分の場合、

今の自分が出来ることを

手がけても、

やはり強い達成感や意味を感じることができないので、


まだ見ぬ世界へ入っていかないことには、

なかなか前に進めないと思ってます。


しかし、今回新しい試みが1点あって、

それは、料理ではなく、写真です。



自分のパートナーであり、

プロカメラマンでもある、

松井猛とのコラボにより、

今までとは違う【絵】を表現できたと思います。


La Bulbe de lis, arôme lait d'amande
ユリ根:アーモンドミルクと・・・







Le KANBURI
寒ブリ:多彩な要素を散りばめて・・・





La Saint-jacque, carotte, pistache
ホタテ貝、人参、ピスタチオ




La Mer : oursin et crabe "KEGANI"
海:ヨードのフィルムで覆ったエゾ馬糞ウニと毛蟹、砂浜と波・・、
    
 北海道の海をモチーフにして・・・




Le KINKI
キンキ:さっと火を入れて・・・




La Sébaste
ソイ:彩られた・・・



Le Porc et navet
純血黒豚と蕪




La Fraise
苺:放置された・・・




Le Chocolat
ショコラ:取り忘れたオーブンシート、関連性の無い目玉焼き・・・







・・・・・・・・・・・

光により、浮かび上がった【素材】には、

新たな【生命】が宿ります。



美しい・・・と感じるのは、

色や構図のデザイン性だけではなく、

はやり、そこに【生きた素材感】がなければ、

絶対に美しいものへと昇華されません。



そして、

目と指先から出る、

素材に穴が開くほどの強い、

【気】を持ってして、

皿に表情を描くことができなければ、

その皿から【生命力】を感じることはできません。





ただ単に美しい皿を作るといっても、

実に様々な要素が必要だったりしますが、

それすらも、当たり前のレベルとして捉えて、

そこを超えて次のステージを見つけたいと思う、

今日この頃です・・・
















 
 
彼は、強靭な精神の持ち主だった。
 
そして、彼はどこまでも透明で白く、繊細な心を持っていた。
 
 
彼は、何より嘘と偽善を嫌った。
 
 
古い気質で、頑固であったが情熱と愛情に溢れていた。
 
 
田舎者である彼は、
 
自然の中で生き、その自然の中からいつも真実を見つけていた。

 
彼は、田舎の人間であるが故・・・とても猜疑心が強かった。
 
 
一度、自分の懐に入れた人間は一生面倒をみたが、
 
一度でも裏切った人間とは、2度と関わることをしなかった。
 
 
彼は、嘘を偽善を嫌った。
 

いい人を装い、影で人を悪く言う人間を

一瞬にして見抜いた・・・


そして、彼はそういう人種と交わることを徹底して嫌い、

決して、目を合わせることもしなかった。


 
彼は、山の麓に住んでいた。

彼に会うために、遠くから多くの人が訪れた。

彼は、来客が来た際、 誠心誠意を尽くし最高の持て成しをした。

しかし、彼は殆ど会話をすることも

笑顔を作ることもしなかった。

そして、その客を見送ることもしなかった・・・


 
 
 
彼は、優しい男であり、
 
強く、誠実な男であった。
 
 
彼は、偽善者を見落とすことはなかった。
 
彼の周りには、上手い話を持ちかけて来る連中がいつも訪れた。
 
彼をおだてて気分をよくしようと振舞う人間を
 
彼は近づけなかった。
 
 
いい人を装った偽善者を憎むこともしなかったが、

その存在を認めることも決してなかった。


 
 
彼は、純粋無垢であった。

そして、常に何事にも真摯であった。


彼は、正直な人間だけを愛し、

そして、自然をこよなく愛した・・・


デザインされた言葉・・・

 今、2月のメニューを制作中なのですが、

あまり前に進みません・・・

 

・・・・・・・・

自分も料理を始めて20年、

シェフとして自分の料理を作るようになって15年、

そろそろ、基礎は習得できたと思いますし、

同時進行で進めてきた応用、表現部分も

それなりに自分のスタイルが出来てきたと思います。


しかし、自分の中では

全く前に進めている感覚が無くて、

常に自問自答の日々です・・・

 

気がおかしくなるほど、

深く考えこむのですが、

そもそも考え込んでいる方向自体が、

異常な方向に向かっています。


どうしたら、この素材を生かして、

もっと美味しい料理を生み出せるだろうか?


とか・・あまり、そういうことでは悩みません。


どうしたら、もっと美しく、新しい

盛り付けができるだろうか?


とかは、もっと考えません・・・

 

自分が料理を手掛ける意味って一体なんなんだろう?

とか・・・

美味しさを超えた表現って一体なんなんだろう?

とか・・・

そもそも、料理って・・・


と・・

向かっている方向が

かなり抽象的です。


・・・・・・・・・


随分と前から、おぼろげなイメージがあったコンセプトは、

【言葉をデザインする料理】


というコンセプトです。

 


詩的なものを皿の上に表現する・・・

というようなことは、

自分もやってきましたし、

海外のシェフでも数名おります。

 

実は、30年以上前にも

そういう人物が日本にも存在してて、

志摩の高橋さんですが、

今や伝説です・・・

 

今、自分が考えているのは、

もっと抽象的で言葉自体の意味合いから

イメージしてデザインする・・・料理で、

時にそれは、ネガティヴな言葉だったりもします。

 

画家やミュージシャンが、心の暗闇を作品に表現することは、

異常ではなく、むしろ通常ですし、正常です。


料理人が皿の上に、心の暗闇を乗せるのは、

間違いなく、異常ですし、病んでます・・・

 

僕は、多分・・・正常だとは思うのですが、

そういうフィールドに入っていかないといけない気がしてます。

 

・・・・・・・・

誰もやってないことなのですが、

例えば・・・

【混沌】

【矛盾】

【迷い】


そんな言葉から、

ある料理を創造する・・・

 

そのプロセスに意味があります。

 

・・・・・・・・

このブログの文書自体も伝わりにくく、

その発想や作品自体も伝わりにくい・・・

 

そんな感じが痛いほど伝わります。