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よくできた言葉です。



我々、料理人が表現する作品を受け止めてくれるのも、


この【器】です。



そう・・皿に料理を盛るのですが、


私にって、それは【器】なのです。



・・・



人のソレもまた同じです。


人の表現を受け止めるのも、


その人間の【器】です。






当然、その【器】が小さければ、【溢れます】




受け止めきれない・・・ソレ


溢れて、流れ出る・・ソレ。




その小さな器も、

流れ出る【ソレ】も、


すべてが、その人自身です。







・・・



それも、


これも、


なにもかも、



【茶碗】の中の出来事にすぎませんが・・・



2013 世界料理学会in 函館



今年も、恒例の世界料理学会の為、

自家用ジェットで函館まで行ってきました。








仕込みのカメラにカメラ目線です。








恒例の想い出作り・・・


頑張って愛想よくしました。






中道シェフ・・会えば会うほど、魅力的な人柄です。

とっても純粋で、正直な人。

なんだか・・大好きな人です。






盟友であり、ミュゼ・ファミリーのタッキーです。

タッキー的には、私がタカザワ・ファミリーのようです。


この学会における、彼の貢献度は、凄いものです。

ある意味、表番長です。














初対面、大阪のhajimeシェフ。

私が、もっとも話してみたかった人。


彼への賛美の言葉は、尽きません・・・
















世界を飛び回る、アルケッチャーノ、奥田シェフ。

学会後、電話まで頂きました。

これから様々なことで、お世話になりそうです。










アメリカン・ヒーロー・・グラン・アケッツシェフです。

あまりにも多忙なので、疲れ切ってましたが、

相変わらずの人柄の良さです。







パンをかじっている、プロレスラーです・・・

日系3世で、メキシコで覆面レスラーをやっている人と聞きました。

今回は、地方巡業でたまたま函館によったそうです。

コックコートには、パティスリー・ストーヴと書いてました。

意味不明です・・・





秋山シェフと横須賀シェフです。












パリのライジングスターという題名のトークセッションです。


ソラの吉武シェフと伸一シェフ。


今回は、リラックスしており、伸一節がそこそこ炸裂し、

いい感じで、皆さん引いてました。


そこそこの炸裂ではなく、もう少しお酒が入ると、

爆発するので、次回学会は、飲みながら話したほうがいいね・・と。


会場がどん引きするぐらいが丁度よいと個人的には思います。







吉武シェフは、柔らかさと強さの両方をバランスよく持った人間で、

非常に素晴らしい人。

若く、芯が強いので、これからが楽しみです。






・・・・・・・・・・








〆は、やはり表番長のタッキーです。


しゃべり番長でもあるので、この日も余裕たっぷりです。




・・・

さて、スナップ写真で想い出作りは、

ご愛嬌なのですが、


本当に自分がそこで感じたこととは何か?


・これからの料理界の未来とはどんなものか?

・料理にとって進化とは何か?

・人と交流し、意見を交わし、露出する意味とは?

・舞台に立つ、人間のこころの動き。

・公開することの意義。

・他人に伝えることの難しさと方法論の解明。


様々なシェフたちのプレゼンを見て、

話を聞き、

その都度、いろいろなことを感じ、考えていたのですが、

一番に思ったことは、

料理とは、その作者の人生そのものであり、

表現者の人格そのものだという事です。


それは、もはや仕事という枠で語れることではなく、

単純に【自己表現】なのです。


今の時代は、特に形式やジャンルに縛られることが少ないので、

シェフの表現範囲が昔とは比べものにならないほど多く、

故に、独自の考えでレストランの在り方自体もコントロールできてしまう・・・


それは、逆に料理以外のことでの選択が多すぎて、

料理だけをフォーカスしても、その店の全体像が見えにくくなっており、

評価する側も、料理についてだけでは語りにくくなっているように思える。

今の料理人は、タレント性も必要だし、しゃべりも必要、

デザイナーの要素、空間、小物のコーティネイト、プロデュース能力、人の管理・マネジメント、

パソコンスキル・・・

と何でもやってしまうし、

何でもやることで、そのシェフの世界観が統一されたイメージとして

レストラン全体を表現できる。


昔の料理人は、厨房にしがみつき、厨房に魂を置き、

皿の中だけで表現し、皿の中だけで言葉を発した。


料理さえ素晴らしければ、それでよかったし、

それ以外の能力を求められる必要もなかった時代だった。

私は、どちら側の人間で、

どちらの生き方を理想としているのか?

どちらでもあり、

どちらでもない・・・

というのが、最もしっくりくるかもしれない。


何故かというと、どちらにも正解があるからです。


・・・・

この部分がこの話の重要な部分で、

今回の学会へ行って、

一番に感じたことは、そこです。

私の個性という部分でしょう・・・


私は、お調子者でもないし、

頑固ものでもない・・・


かといって、特定の価値観を持つ人としか

関われないタイプでもない。


理解力があれば、どんな人の生き方や考え方、価値観を共有できると思っているのです。


だからと言って、

自分の考えをコロコロ変えるわけではないです。

人の価値観はそれはそれで、受け入れるけど、

自分の中に取り入れるかは全く別の話です。


要するに、否定はしないけど、

影響もされないし、自分としてはソレをしないというだけです。


そう・・・自分とは全然違う考えの人が【悪】であり【間違え】だ・・という考えが自分にはないということ。


・・・


学会の中では、様々な人が、

様々な【正解】を伝えていました。


時にそれは、攻撃的なものも含みますし、

誰かの価値観を否定するような発言もあったのも事実です。

私に言わせると、そういう人が問題な訳ではなく、

過激な発言をするのも、またその人の【生き方】なのです。


そういう人も必要なのです。


どれだけ嫌われても、非難されてもいいから、

思ったことを正直に言う・・

そんな生き方なのです。


・・・・

それぞれが、自分の信じる道を懸命に生きる姿にこそ価値があるのです。


皆で平均的な考えや価値を擦り合わせて、

表面的に仲の良いフリをしているほうが、よっぽど問題です。

それはそれで素晴らしい、

俺は俺で自己流を貫きます。

こんな感じが一番、自然かな・・と私は思います。

人と交わり、

人と交わらない・・・


私にとって、そんな学会でした。

オリジナリティー




オリジナリティーとは何か?


それは、他を真似しないことではない。


真のオリジナリティーとは、

そもそも、他人の表現など意識の中にはない状態から生まれるものだ。


人の作品に気を取られているうちは、

本当のオリジナルなど生まれるわけもない。


独創性とは、

生まれつきのものだ。



サガ(性)のようなものである・・・




そうした、サガを生まれ付き持っている人にとって、

ふつうである状態のほうが、不自然でならない。


オリジナルは、生み出そうと思って生まれるわけではない。


そう・・・

ごくごく自然の状態にしか、それは存在しない。




今日、9月14日は、

私がこの世に産み落とされた日。


その運命からは、自分の意思では逃れることができない。


自分にとっての独自性とは、

ごくごく自然のありのままの姿でしかない・・・


見つめている先は、

いつも、こころの中なのです。








抽象の世界




世界の料理は、どこへ向かうのか?


本質はいつの時代も変わらない・・・



いづれ、抽象の世界へと導かれるはずだ。


【カタチ】を突き詰めると、

その先には、いつも【抽象の世界】が存在する。



今・・ひとり、そこに向かい、

表現の在り方を探している。


・・・

分かりにくいものを伝えるためには、

いつも、分かりやすいものがセットでなくてはいけない・・・



薔薇を描き、

薔薇を凍らせて、

粉々に破壊するのは、

パフォーマンスであるが、


そこには、創造がある。



想いをカタチにして、

伝えるためには、

そうした【手段】は、必要である。



しかし、本当に伝えたいものというのは、

その表面には、存在しない。


目や耳ではない、

別のところで感じることだといつも思っている・・・



選択




全てを決定付けるのは、

【選択】のセンスである。


そしてまた、

【選ばない】ことを選択するのも、

また【選択】である・・・



・・・


私にとって、食材はモチーフだ。


モチーフなしには、絵は描けない・・・


どんなモチーフを選択するか?


こころの通わないものからは、

何も生まれない。



自分の探しているモチーフとは、いつも身近なものだ。


【距離】というのは、

とても大切であることに気づかされる瞬間だ。



2013年・・・


もう一度、モチーフ探しと向き合い始めている。


それは、素晴らしい出会いと気づきである・・・

贅沢



我々は、贅沢を売っている。


贅沢とは何か?


もし、そう問われたなら

こう答える。


それは、無駄を売ることだ。


・・・

我々は今、必死で【無駄】を創造しているのである・・・